
なぜ人は絵を描くのだろう
アートの眼差しと
福祉の支援によって生まれた
みずのきの絵画展
2026.9.12(土) - 2026.11.3(火・祝)
開館時間 | 10:00 - 17:00 (入館は閉館の30分前まで)
主催 | ハイパーミュージアム飯能
協賛 | フィンテックグローバル株式会社
後援 | 京都芸術大学、飯能市、飯能市教育委員会(飯能市内小中学生向け体験プロジェクト)、FM NACK5、テレビ埼玉
協力 | みずのき美術館(社会福祉法人松花苑)、株式会社サインアーテック、株式会社意匠大工、株式会社円谷プロダクション
TICKET
※当日チケットは、ミュージアムチケットブースにて販売 (販売時間 10:00 - 16:30)

MESSAGE
なぜ人は絵を描くのか
京都の亀岡にある知的障害者の入所施設「みずのき」は、1964年から日本画家・西垣籌一(1912-2000)の指導のもとに、施設利用者に対して絵画教育を行ってきたパイオニアです。
1994年には、世界的現代アーティストであるジャン・デュビュッフェが蒐集してきた作品が寄贈され開館した、スイス・ローザンヌにある市立美術館「アール・ブリュット・コレクション」に、アジアでは初めて6人の作家の作品32点がコレクションされています。
今回の展覧会では、みずのき絵画教室のアーティストから7名を選抜し、独自のキュレーションを行います。
約35年にわたり執拗に「家」を描き続けた堀田哲明や、絵画教室の立ち上げからのメンバーで猫や動物、ヒトを描き続けた小笹逸男、ウルトラマンのキャラクターを描き続けた山本悟、愛らしい植物や石のモチーフを描いた二井貞信ら。見どころいっぱいの、エネルギー溢れた作品を一同に集め、「なぜ人は絵を描くのだろう」という問いを、皆さんと共有したいと思います。
今年は、スイス・ローザンヌの「アール・ブリュット・コレクション」も創設50周年を迎えるアニバーサリーイヤーにあたります。
現代アートというと、難しいと思われがちですが、みずのきのアーティストたちの、驚くような色彩や造形感覚を、体感しに来てください!
みずのき絵画教室の7人のアーティストたち
二井貞信(1917-1988)

戦時中に召集され、戦闘の極限状態とマラリア感染により、精神疾患か脳機能障害を発症したとされる。木や石など身近なものを描き、クヌギや施設の石垣を題材にしたと思われる。いつも微笑みをたたえ、エビスさんのように優しかったという。
山本悟(1948-2021)

教室でも施設内でも親分気質を発揮。新品のクレヨンを選び、一色塗るたび汚れを拭き取り、淀みのない色彩を好んだ。大胆に分割された色面は強烈で明るく、唯一無二の美しさを放つ。好きなウルトラマンのほか、家や円も繰り返し描いた。
小笹逸男(1924-2012)

1962年からみずのきで暮らし、絵画教室の開設当初から参加。同じ絵を何枚も描く姿を西垣は「小笹印刷所」と称した。キャンバスと油絵具に出会い作風が開花し、代表作を数多く生んだ。猫を愛し、日記にはいつも猫の絵を描いた。
堀田哲明(1949-2015)

1968年からみずのきで暮らし、絵画教室に参加。山本悟の絵を真似て描き始めた「家」を約35年間、唯一のモチーフとして約900点制作した。使い古した小さなクレヨンを好み、空き缶や瓶から大切そうにつまみ上げて使った。
山本一男(1955-2025)

1976年から絵画教室に参加。初期から卓越した色彩感覚を示した。皿やコップ、自らの手を象った型紙で図を描き、アクリル絵具とスプレーで仕上げ、透明感のある豊かな作品を制作。時折うたた寝をしながら、時間をかけて丹念に描いた。
吉川敏明(1947-1987)

1966年にみずのきへ入所し、同年から絵画教室に参加。木炭とクレヨンを用いて制作した。木炭画では、黒く塗り込めた大胆なモチーフと余白が、表情豊かなモノトーンの世界を生む。修正や手直しを一切せず仕上げ、西垣を驚かせた。
岡本由加(1973年生)

幼少期から絵の才能を認められ、1994年にみずのきへ入所し絵画教室に参加。木炭を中心に、アクリル絵具や油彩で重厚かつ力強い作品を制作した。活躍を期待されたが、憧れの地域で暮らすため退所し、現在は制作から遠ざかっている。
アニメーション映像作品《みずのき動物園》
映像作家・浦崎力が、障害者支援施設みずのき内の収蔵庫で動物の絵画と出会ったことをきっかけに制作したアニメーション映像作品を上映します。みずのき絵画教室で生まれた作品の中から動物を描いた作品を選び、それらのイメージを用いて動物園をつくり出します。
映像:浦崎力
音楽:半野田拓
作品プロデュース:中本真生(UNGLOBAL STUDIO KYOTO)
みずのき絵画教室で生まれた作品の展示
障害者支援施設みずのきでは、入所している人たちを対象に、1964年に絵画教室を開設し、指導を行った西垣籌一が逝去した翌年の2001年まで活動が続きました。日本画家としても知られる西垣は、当初、余暇利用、情操教育などを主とするクラブ活動として取り組みを始めました。しかし、入所者の多様な反応や変化の兆しを感じ、その後本格的な美術教育へと転換していきます。西垣は、造形と色彩の練習プログラムを独自に開発して絵画教室の基礎としました。
今回、ハイパーミュージアムでの展覧会では、描画の特徴が際立つ作品を展示いたします。また、展示空間の中央には作品収蔵庫をイメージした棚を設置し、現在も多くの作品が保管されている様子を追体験いただきます。なお、みずのき絵画教室は、現在は「みずのきアトリエ」として再び余暇的な活動となって取り組まれています。
みずのき美術館 デジタルアーカイブ&資料コーナー
通常はみずのき美術館でのみ公開している「みずのきアーカイブズ」が閲覧できるコーナーを設置します。みずのき絵画教室の歴史、収蔵作品の一覧、関連する資料がデータ上でご覧いただけるほか、西垣籌一の著作『無心の画家たち−知的障害者寮の30年』(NHKブックス、1996年)や、みずのき美術館のカタログなどの資料も展示いたします。
ハイパーキッズプログラムに参加しよう!

絵を描きたいというキモチは、どこから湧いてくるのでしょう? アニメーション映像作品「みずのき動物園」に登場するトカゲとカエルのぬり絵をとおして、絵を描く体験ができるワークショップを展覧会期間中に開催! 親子や、子どもたちが楽しめる、またとない機会をつくります。
トートバッグなどの雑貨を販売






みずのき美術館の収蔵作品の中から、動物や家などが描かれたユニークな作品をデザインしたトートバッグなどの雑貨を販売いたします。作品の魅力が詰まった、ラブリーなグッズです。ぜひお買い求めください。
